要の純然たる日記(旧館)

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笑いに関する哲学書。なぜ人間は笑うのか。人間はどういう場面で笑うのかを考察した名作。笑いの題材としてモリエールの喜劇が頻繁に引用されている。哲学者は舞台芸術が好き、と言い切れるものではなくて、舞台芸術の笑いに絞って書かれているということ。興味深かったのは、観劇において一緒に観る (つまり場を共有する) 観客が多い方が、共感が伝わるのでよく笑える、ということ。テレビでコメディを放送するときに会場の笑い声も一緒に収録されるのも、ドリフ大爆笑でギャグのたびに作られたような笑い声が入っているのも、視聴者が自分と笑いを共有する人を感じるため、なのかもしれない。やりすぎると却ってしらけるんだけどね。