要の純然たる日記(旧館)

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読書

川上未映子『先端で、さすわ さされるわ そらええわ』青土社 (isbn:9784791763894) 川上未映子のデビュー作の詩集。狂った性が狂っていて美しい。

川上未映子『すべて真夜中の恋人たち』講談社 (isbn:978406217868) フリーの校閲者。屈折した人間の美しくない性を描かせたら川上未映子はピカイチ。『ヘヴン』をちょっと丸くしたイメージ。魔法瓶の日本酒。光。

久しぶりに市立図書館で本を借りる。文芸誌に川上未映子の短編が入っていたので読む。 川上未映子『ほかの誰よりも最高の気分』すばる, 2014.1 ベッラ、エーメ、シス。

安生正『生存者ゼロ』宝島社 (isbn:9784800205001) ひさしぶりに小説を読んでみた。北海道で急激な感染が疑われる大量死が。パンデミック小説というよりはミステリー小説。

高野秀行『謎の独立国家ソマリランド: そして海賊国家プントランドと戦国南部ソマリア』本の雑誌社 (isbn:978486112387) ソマリアはソマリ人の国だが、ソマリ人はソマリアだけではなくエチオピアにもケニアにもまたがっている。ソマリ人の領域にテキトーに線…

「文藝」2013年春号 いとうせいこう「想像ラジオ」 いとうせいこうの中編で話題になっていた「想像ラジオ」を読む。良い。

小川洋子『原稿零枚日記』集英社 (isbn:9784087713602) シュールな感じが良い。

川上未映子『夏の入り口、模様の出口』新潮社 (isbn:9784103256212) 再読。 ものすごく久しぶりに縦書きの本を読んだ気がする。

司馬遼太郎『大盗禅師』文春文庫 (isbn:4167663058) 江戸初期の由井正雪の乱と明末期の鄭成功の活動を強引にリンクさせるファンタジー。

泉麻人『東京23区物語』新潮文庫 (isbn:410107612X) 1985年に出版されている。東京23区それぞれの特徴を書かれているが、書き方がシニカルで、悪く言えば土地差別、ようするに各地域への揶揄にあふれている。

山岸真編『90年代SF傑作選 (下)』ハヤカワ文庫 (isbn:4150113955) 上巻よりも読み応えのある作品が多い。 テリー・ビッスン「マックたち」クローンの親 ロバート・J・ソウヤー「ホームズ、最後の事件ふたたび」 これは面白い。モリアーティと対決するために…

山岸真編『90年代SF傑作選 (上)』ハヤカワ文庫 (isbn:4150113947) 1990年代に発表されたSF短編のアンソロジー。 ニール・スティーブンスン スティーブン・バクスター アレステア・レナルズ ダン・シモンズ「フラッシュバック」よかった。 コニー・ウィリス「…

ポオ『ユリイカ』岩波文庫 (isbn:9784003230640) ユリイカとはエウレカのこと。散文詩による宇宙論。

ホメロス『オデュッセイア (下)』岩波文庫 (isbn:4003210255) 知略に優れたオデュッセウス、トロイ攻略戦のあとオデッセイを経て、なんとか国に帰り、留守中嫁はんに言い寄っていた求婚者達を、退路を断った上で神の助けも得て殺しまくる。ていうか、戦いの…

ホメロス『オデュッセイア (上) 』岩波文庫 (isbn:4003210247)

保坂俊司『国家と宗教』光文社新書 (isbn:4334033733) キリスト教と政治、イスラム教と政治、インド仏教と政治。日本の仏教と神道。天皇と仏教。光格天皇による中世的天皇の復活。廃仏毀釈。

伊藤千尋『反米大陸: 中南米がアメリカに突きつけるNO!』集英社新書 (isbn:9784087204209) 米国が中南米においてどのように帝国を築いたか。また、同じ手法で太平洋の国々を支配下においた軌跡を描く。米国の基本的な思想は、米国は神の国だから米国の正義は…

シェイクスピア『ウィンザーの陽気な女房達』ちくま文庫 (isbn:448003309) シェイクスピアの喜劇の中では最高作だと思う。

シェイクスピア『タイタス・アンドロニカス』ちくま文庫 (isbn:4480033122) 真面目に読んだことのないシェイクスピアを読んでいこう月間、というわけでもないけど集中的に読んでいる。『リチャード三世』並に人が死んでいくが、殺され方が残虐で、子供の頃に…

シェイクスピア『ペリクレーズ』ちくま文庫 (isbn:4480033114) ロマンス劇、という。いわゆるロマンスを語る劇ではなく、超越者の意志によって信じられない偶然が組み合わされる劇のこと。地中海東部での不幸な家族の物語。

シェイクスピア『コリオレイナス』ちくま文庫 (isbn:9784480033147) 共和制ローマ初期の話。武力優れるケイアス・マーシアスはコリオライを陥落させたことでコリオレイナスの称号を得て執政官となったが平和主義者の護民官と対立してローマを追われ、かつて…

シェイクスピア『恋の骨折り損』ちくま文庫 (isbn:9784480033161) 松岡和子訳。言葉の饗宴

エリザベス・フェラーズ『猿来たりなば』創元推理文庫 (isbn:4488159168)

サマセット・モーム『かみそりの刃 (下)』ちくま文庫 (isbn:4480030050) アメリカとイギリスとフランス。インド哲学。

サマセット・モーム『かみそりの刃 (上)』ちくま文庫 (isbn:4480030042)

M. ブラン=モンマイユールほか『フランスの博物館と図書館』玉川大学出版部 (isbn:4472402882) フランスの図書館史。親戚か偽の親友か。ポンピドゥーセンター。

エラリー・クイーン『シャム双子の謎』創元推理文庫 (isbn:4488104118) かなりぶりの再読。それにしても先日読んだエラリー・クイーンでも思ったけど、ダイイングメッセージを重要視する推理小説ってのは嘘っぽく感じてしまう。被害者が死ぬ寸前に犯人象を、…

エラリー・クイーン『間違いの悲劇』創元推理文庫 (isbn:448820433) エラリー・クイーンの短編集。『間違いの悲劇』は、遺作となる小説、ではなく、遺作となる小説のプロット。他の作品は玉石混淆。パズル・クラブは好意的に見てもいまいち。

ロード・ダンセイニ『影の谷物語』ちくま文庫 (isbn:4480025588) 父の遺言に従い、剣とマンドリンを抱え、戦いを求めて放浪するロドリゲス。その従者モラーノ。彼らは如何にして影の谷の主となったか。

ロバート・F・ヤング『ジョナサンと宇宙クジラ』早川文庫 (isbn:4150115842) SF短編集。詩的な名作が多い。