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- ギボン「ローマ帝国衰亡史VI」筑摩書房 (isbn:4480346066)
- 36章 (VI巻には35章から39章までが収録)
既にイタリア半島を残すのみとなっていた西ローマ帝国は壊滅状態になり、ゴート族出身のオドアケルが王位に就くとともに皇帝位を東ローマ皇帝に返上。これで西ローマ帝国の名前は消えて、イタリアは珍しくも国名を持たない「オドアケルの王国」となる。とはいえ、(ローマ人でないという意味での) 蛮族出身の皇帝も珍しくなかったローマ帝国にしてみれば、権力者の飾り物でしかなかった皇帝位が消えただけで、政治体制が大きく変化したというわけではないらしい。
追記: 「蛮族出身の皇帝も珍しくなかった」というのは正しくない。カエサルが征服したガリア地域の出身者が皇帝になったことはあるが、ゲルマン人でローマ帝国のトップに立ったのはオドアケルが最初。