要の純然たる日記(旧館)

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  • トマス・マン『詐欺師フェリークス・クルルの告白』新潮文庫 (isbn:410202204X)
    • 読了。同時収録『掟』

トマス・マンの長編小説、なのだが、未完。1911年頃に前半部分が書かれたのだが、そこで筆が止まり、1951年に再度執筆が開始されるが、結局未完のままで作者死去。しかもこの訳本は1951年に出版されているので、前半部分のみが訳出されている。密度濃く書かれているので完結したらさぞかし読み応えのある本になったのだろう。
ちなみに「三鞭酒」という単語が頻繁にでてくるが、これがシャンパンの意味だということは辞書を引くまで分からなかった。
『掟』は、モーゼに関する短編。「彼の生れは無秩序なものであった。それだから彼は情熱的に秩序を愛した」。